古萩 獅子置物

作者 不明
状態 二カ所欠けあり
縦幅
約16cm
横幅 約27cm
高さ
約26.5cm
刻銘 なし
付属品 合わせ箱・黄布
価格 ¥374,000

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 『古萩』とは、江戸時代に焼かれた古い萩焼の総称で、茶碗などの茶陶、または置物といった細工物がその代表格としてよく知られています。
 本作は獅子を象った置物であり、江戸時代後期から末期にかけて焼かれたものと推測されます。獅子の猛々しい表情や渦巻くたてがみ、今まさに獲物に飛びかかろうとしているかのような全身の筋肉の緊張など、古萩には数多くの獅子の置物が伝世していますが、これだけの完成度を誇るものはなかなかありません。

 古萩につきものなのが、どこの窯で焼かれたものかという問題ですが、大きめの作品でありながら窯割れもなく、また焼成による造形の崩れもないことから、この置物は三輪窯で焼かれたものではないかと思います。
 というのも坂窯には置物造りのノウハウがなく、上半分と下半分を別々に造ってくっつけるという方法で置物を造りますが、三輪窯はその置物造りを京都の楽家で学んでおり、陶土を紐状にして積み重ねる「紐造り」という技術を有していました。
 紐造りは自重による造形の崩れを起こしにくく、また当然ですが、上下に継いだ跡も残りません。本作品もこれらと特徴が一致しており、以上のことから三輪窯で焼かれたものであると当店では考えております。

 古萩にはキズがあって当たり前といわれるように、本作にも二か所キズがあります(画像緑〇の部分)。合わせ箱に書かれている「松本焼」とは、萩焼の古い呼称であり、萩の松本村で焼かれていたため、昔の萩では萩焼ではなく、松本焼と呼ぶこともあったと伝わっています。

獅子置物

 獅子は空想上の生物であり、ライオンをあらわす獅子とは別物です。魔除けの力があるとして古くから親しまれ、また勇猛さの象徴として特に武家に好まれました。