藤井誡堂 松風塵外心

作者 藤井誡堂
装丁・軸先 紙本
漆塗り
状態 表装上部にシミあり。また、補修の跡があり、左右の軸先にも傷みあり
長さ 約128cm
横幅 約54.5cm(軸先含む)
刻銘 本紙に「前大徳 八十翁 誡堂」の自筆と印あり。また箱書きに「紫野 誡堂」の自筆と花押あり。
付属品 共箱・薄葉紙・保存用かぶせ紙
価格 ¥25,000

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「松風塵外心 しょうふうじんがいのこころ」とは、松風の音(湯が沸き、茶釜が鳴る音)に心が洗われ、世俗の塵から解放される心境をいい、茶室では俗事を忘れ、釜の湯の煮える音に耳を傾けなさいという意味です。
千利休は露地を通る心得を「露地はただ 浮世の外の道なるに 心の塵など 散らすらん」と説いています。
茶室に入る時は、世俗のことなど塵を払うように捨て去れ、と説いた言葉です。

人の手を渡ってきた物ですので、残念ながら傷みがあります。
①表装上部(画像緑〇の部分)にシミのようなものがあります。
②画像赤〇で囲った文字の部分は、一部が白くなっていたので確認してみましたが、キズや汚れなのか、それとも単に墨が乗り切らずに、本紙が露出しているのか、判別不可能でした。(指で軽く触ってみましたが、凹凸はないように思えました)
③画像黒〇で囲った部分は、本紙が切れた部分を補修した跡です。確認できた補修は、表装裏に2か所で、それぞれ表への影響も黒〇で囲っています。仕上がりは補修の跡を感じさせないもので、専門の表具師によって行われたものと思います。
④左右の軸先にも傷みがあり、壁にかけてみると、キズは両方とも上端に現れます。青〇で囲っているので、ご確認ください。
実際に掛けてみた感じとしては、よほど近くで見ないと傷みは気にならないと思いました。本紙にシミ・折れがないので、普段使いや、格式張らないお茶会などでお使いいただけると思います。

藤井誡堂

明治三十一年(1898)に生まれる。
大徳寺515世管長、大徳芳春院二十二世、大徳寺塔頭三玄院住職。
戦後より大徳寺の復興に尽力。自作の茶道具も多い。
大徳寺歴代管長のなかでも、特に茶人に人気が高い。
号は「誡堂」「龍寶」など。