深川焼 桃型鉢

作者 不明
年代 江戸後期-幕末
状態 無傷完品。時代、使用による、目立つようなシミや汚れなどもありません
刻銘 なし
縦幅 約29cm
横幅 約30cm
高さ 約8cm
付属品 なし
価格 ¥55,000

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深川焼の釉薬は、萩焼の枇杷色に対し、雪のような白を基本とし、その上に鉄を用いた黒釉(その仕上がりから海鼠釉と呼ばれる)、若草色の緑釉を用いるなど、その仕上がりは現代アートに通ずるモダンな印象があります。

本品は青釉を用いて色付けされていますが、これはコバルトを垂らしたもので、作成された時期としては、おそらく江戸後期から幕末にかかるものだと思われます。
この青釉を使った深川焼は作例が少なく、磁気製品の流通に押されて深川焼が転換を迫られた過程で、姿を消していったのだと思います。

古い物ではありますが、状態が非常に良く、目立つようなシミや汚れはありません。珍しいことに無傷完品ですが、共箱などのない時代なので、付属品はありません。

深川焼

深川焼とは、長州藩長門の三ノ瀬で焼かれていた、白を基調とした陶器です。その歴史は古く、承応二年(1653年)に、陶工の蔵崎五郎左右衛門が、深川村三ノ瀬(現長門市深川湯本三ノ瀬)の地に独立窯業を願い出て、許しを得たことから始まります。

しかし当時、茶陶を焼くことは許されず、もっぱら生活雑器を焼いていたと記録にあり、特殊な例としていくつかの茶陶が遺るものの、現在伝わるのは鉢や皿、徳利がほとんどとなっています。