和田美之助　圓能斎好 巴釜釻

　独特な形と金象嵌が美しい、鉄製の釜鐶です。作者は釜師として有名な和田美之助。やや古い箱書きなので、12代の若い頃の作ではないかと思われます。
　しかし若作であったとしても、繊細でシャープな造形はそれだけで眼を奪われる美しさがあり、さらに鉄の沈んだ地肌を引き立てるように金象嵌が華を添えています。

　状態はまったくの無傷完品であり、使用感もありません。
　共箱に共布が付属し、さらに当店で薄葉紙と箱かぶせ紙を用意させていただきました。

和田美之助

初代 和田信濃大掾藤原国次：生没年不詳。京都三条釜座に住して江戸期釜座の座衆取締等、頭として活躍。「天下一釜師」の称号を有している。

十二代 和田美之助：1941(昭和16)年生まれ。歴代の名に恥じぬ作品を制作し続け、名声高く釜や鐶、火箸などに斬新な作品を見ることができる。

十三代 和田美之助：当代として数々の作品を制作している。現代感覚に沿った茶道具を生み出し、これからの活躍が最も期待できる作家である。