五代 坂助八 古萩茶碗

作者 五代 坂助八
状態 古い直しあり
縦幅 約11.5cm
横幅 約12cm
高さ 約8cm
刻銘 十代 坂高麗左衛門の箱書きあり
付属品 極め箱・御物袋・しおり
薄葉紙・二重箱
価格 ¥500,000

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 「古萩」とは、江戸期とその少し前に焼かれた古い萩焼をいい、かつては「初代(坂高麗左衛門)の作から三代の作まで」を古萩と呼んでいました。しかしこの考え方は、かなり古い時代にできた概念であり、時代が進んだ現代では、美術館が江戸末期頃までの萩焼を集めて「古萩展」として展示していることから、今では江戸期までのものを「古萩」と呼ぶようになりました。

 古萩と呼ばれる萩焼は、現代までの作品を含めた全ての萩焼の、最高峰に位置する萩焼の中の萩焼であり、その希少価値は計り知れません。なかでも古萩の茶碗は非常に珍しく、偽物は多く世に出回っていますが、本作のような「本物」の古萩茶碗はすでに美術館か、コレクターの元に収まっていることがほとんどです。その魅力は時を経て枯れた佇まいにあり、これはどのような名工であっても作り得ない、器物が年を経ることでしか現れない不思議な生命感にあるのではと思います。

 本作は十代坂高麗左衛門が五代の作と鑑定しており、作行は全体に簡素に見えます。しかし胴部に一カ所へこみ(前押せ)があることによって印象は大きく変わり、高台の切れ込みも相まって雅趣が強まり、そのうえに時代による味わいが備わって、それだけでも目が離せなくなるところですが、さらに割れた箇所を補修した、古い直しが侘びた風情を深化させています。

 箱書きは子孫である十代坂高麗左衛門であり「萩焼茶碗 口径 三寸九分、高さ 二寸七分五厘、重さ 六十ニ匁五分 右 五代坂助八作に相違なきもの也 昭和辛卯(昭和26年・1951年)初夏 十世 坂高麗左衛門」と極め書きされ、蓋表には「五代 坂助八作 萩焼茶碗」と書かれています。
 付属品は極め箱、漆塗りの二重箱、御物袋、十代坂高麗左衛門のしおり、箱かぶせ紙、緩衝材として綿が詰められており、とても大事にされていたことがわかります。

五代 坂助八(忠達)

享保七年(1722)生。明和六年(1769)没。詳細不明。
「十代 坂高麗左衛門」
明治二十三年(1890)生。昭和33(1958)年没。