花縁被せ硝子コンポート
製作時期 | 明治・大正期 |
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状態 | 縁に一箇所小さな欠けあり |
刻銘 | なし |
縦幅 | 約16.5cm |
横幅 | 約17cm |
高さ | 約12.5cm |
付属品 | なし |
価格 | ¥66,000 |
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波打つような縁の細工がとても細かく、躍動する様は風に揺れる花びらのようです。
赤と青のコントラストは被せガラス(きせガラス)という技法で作られていて、乳白、金赤、青の三色で構成されています。
乳白色のガラスを挟んで、上層は赤い色のガラスを薄く被せ、下層に青い色のガラスを被せています。三層のガラスで構成されているのに、完成されたこの器はとても薄く、厚さは2mm程度。当時の職人の技術の高さがうかがえます。
足は完成した器部分に透明なガラスを接合したもので、スッと立ち上がった細めの足はとても上品な仕上がりとなっています。
残念ながら縁の一箇所に小さな欠けがあります(画像緑〇の部分)。ですが、ガラスの発色、姿の美しさと、ここまで完成度の高いものは希少であり、滅多に出てこない逸品であるといえます。
コンポート
コンポートとは、明治後期には「花形高杯」または「果物盛」などと呼ばれていた器のことで、洋風建築を取り入れた部屋を彩る、モダンな器として愛用されました。
明治・大正期のガラス製品は、現代においてはコレクションとして愛玩される物が多く、なかでもコンポートにおいては上質な作例が数々あり、本品もその一つといえます。
この器の用途自体は普段使いのものではなく、客をもてなすために菓子や果物を盛るためのものなので、バリエーションも多岐にわたります。特に、見た目にも華やかで眼を惹くものが好まれたようです。
そのために、数多くの作例が残っているのでしょう。
そのデザインセンスは現代のガラス工芸にないシンプルかつエレガントな美しさで、その上品な美しさの秘密は、ガラス成型の技術の高さにあります。
コンポートはそれまでのガラス制作で培われた、技術の全てが結集しているといっても過言ではなく、名もなき職人達が、もっとも腕を奮った作品であるといえます。