三代 坂新兵衛 古萩獅子置物
作者 | 三代 坂新兵衛 |
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状態 | 無傷完品 |
縦幅 | 約15cm |
横幅 | 約25cm |
高さ | 約25cm |
刻銘 | なし 箱に十代 坂高麗左衛門の箱書きあり |
付属品 | 極め箱、黄布、箱かぶせ紙 |
価格 | ¥390,000 |
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『古萩』とは、江戸時代に焼かれた古い萩焼の総称で、茶碗などの茶陶、または置物といった細工物がその代表格としてよく知られています。
本作は獅子を象った置物であり、箱書きにおいて江戸時代中期頃に焼かれたものとされています。獅子は空想上の生物であり、ライオンをあらわす獅子とは別物です。魔除けの力があるとして古くから親しまれ、また勇猛さの象徴として特に武家に好まれました。
箱の極めは萩焼本家窯元、坂家十代高麗左衛門による極めであり、当店の鑑定においても坂窯で造られた作品、それもかなり古いものであると確信を持っています。特徴として、本体に継ぎ目があることが坂窯の作であることが挙げられます。
というのも古い時代、坂窯には置物造りのノウハウがなく、もうひとつの古窯三輪窯ではひも状にした陶土を積み重ねて置物を作る、ひも造りの技術を京都の楽家で習得していましたが、坂窯でその技術がなく、置物の上半分と下半分を別々に作り、それを最後にくっつけて焼くという方法で置物を作っていました。
本作においても、口から内側を覗いてみると、上下を接合した跡が見受けられ、それによって坂窯で焼かれたものであると推定されます。
専門の技術がなかったものの、獅子のたてがみや尻尾の表現、顔や手足の造りなど、細部まで丁寧に作られており、三輪窯の獅子とはまたちがった味わいがあります。
古萩は古いものですので、キズがあって当たり前とよく言いますが、本作は奇跡的に無傷完品であり、その原型を今も立派に留めています。おそらくかつては上級武士や豪商の家にあったものと思われますので、行き届いた管理のもと、とても大事にされていたのではないでしょうか。
三代 坂新兵衛
萩焼本家窯元、坂高麗左衛門窯の三代目。忠順。
慶安元年(1648)生、享保14年(1729)9月29日没。