結び柳と蓬莱飾り[2019/1/17]
明けましておめでとうございます。本年も精進を重ね、皆さまのご期待に添えられるよう努力いたしますので、今年も旧年中と変わらむご愛顧をお願いいたします。
今日は結び柳と蓬莱飾りのお話です。毎月10日に山口市の野田神社で、茶室『緑庵』においてお茶会が開かれるのですが、今年もさっそく行ってきました。
新年最初のお茶会ということで、床の間に飾られていたのが結び柳と蓬莱飾り。この時期にしかお目にかかれないないものなので、興味を覚えて調べてみました。
結び柳は長くしなやかな柳の束を真ん中で結び、輪にしたものです。調べてみると、丸く結ぶのは円満、平和、生命を表すためであり、柳は長く垂れているほど縁起が良いといわれています。また、新年と旧年を結ぶという意味も込められています。そもそも、お茶の席に柳を用いたのは千利休といわれています。中国の唐の故事に倣って、利休が送別の花として柳を入れたのが最初ではないかとされています。
蓬莱飾りは木地の飾り台に奉書を敷き、お米を一升半山盛りに盛って炭を置き、昆布や串柿、伊勢海老の飾りなどを乗せたものです。四隅には小皿を置いて、海のもの(昆布、ごまめ)、山のもの(小梅、長老喜)を飾ります。初めにお米を一升半盛るのは、一生繁盛するように、と縁起をかつぐ意味が込められているためであり、その他に積み上げた食べ物にもそれぞれ意味があります。
蓬莱飾りの由来について様々あり、関西に伝わるものでは、東の海を越えた先にあるという『蓬莱山』を表現したものであるといわれています。
『蓬莱に 聞かばや伊勢の 初便り』
この句は松尾芭蕉が蓬莱飾りを眼にしたときに詠んだ句です。昔から祈りを込めて縁起物を供え、新しい年を迎えていたことがわかります。