十代 三輪休雪 萩焼 沓鉢

作者 十代 三輪休雪
状態 無傷完品
使用感なく、未使用にちかい
縦幅 約17.0cm
横幅 約19.5cm
高さ 約 8.9cm
刻銘 裏面に「休雪」の印あり
また共箱に作者自筆と印あり
付属品 共箱・共布・薄葉紙
しおり・箱かぶせ紙
価格 ¥60,000

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 雪に覆われたかのような白い釉薬(休雪白)が良い景色となっています。沓(靴)のように楕円に歪み、そのいびつさに風情を見出す、独特な感性が表れています。

 状態は無傷完品であり、目立つようなシミ、汚れなく、未使用にちかいといえます。付属品は共箱と共布、しおりであり、さらに当店で薄葉紙と箱かぶせ紙を用意させていただきました。

「十代 三輪休雪(休和)」

 400年の長い歴史を持ち、茶陶の名門でもある萩焼。その頂点に位置した人間国宝・三輪休和氏が八十六年の生涯を閉じたのは、1981年の10月24日でした。

 1910年に旧制中学校を中退し、祖父である八代雪山、父九代雪堂に作陶を学び、1927年に雪堂が隠居するにあたって、十代休雪を襲名しました。当時三十二歳、この時期は大正・昭和の不況により、多くの窯元が廃業を余儀なくされた時代でした。

 三輪家であっても辛い時代であり、窯の火を守るために日用品や神社のお土産を作って売る日々が続きました。

 転機が訪れたのは1941年、陶芸家川喜多半泥子との出会いでした。来萩した川喜多半泥子は三日間、三輪窯に滞在。その縁で1942年に「からひね会」が発足します。

 からひね会のメンバーは半泥子のほか、荒川豊蔵、金重陶陽と三輪休雪(休和)の四名です。

 この会では桃山陶の探求と現代作品への活かし方、作陶精神をめぐって交流を深めました。

 休和は江戸期の古萩を参考にしながら、現代の萩焼の技法を確立していきます。それはただ古作を写すのみということではありませんでした。

 休和の作行は、古萩の茶碗よりもさらに厚く、柔らかな印象のある仕上がりとなっていて、形はむしろ古萩や高麗茶碗よりも、楽や光悦といった、日本で生まれた焼物に近いものとなっています。

 また伝統的な藁灰釉の改良にも取り組み、その結果、雪のような釉薬「休雪白」を生み出しました。

 これらの功績によって1970年、休和は重要無形文化財「萩焼」保持者に認定されました。