十一代 三輪休雪　萩茶碗 白

　重要無形文化財「萩焼」保持者として知られる、十一代三輪休雪作のお茶碗です。
　器にかけられた白い釉薬は「休雪白」と呼ばれており、この白釉は伝統的な萩焼に新境地を開拓し、発明した兄十代休雪(休和)も人間国宝に指定されています。
　本碗はその「休雪白」にたっぷりと覆われ、真っ白に仕上がったその姿は、しんしんと雪が降り積もる冬の朝を想起させます。
　本作品の詳しい製作年代はわかりませんが、お茶碗の作行や箱書の字体、箱の汚れ具合から見て、おそらく昭和五十年代前半から五十年代後半(1975～1981)にかけて製作された物ではないかと思います。

　本品は無傷完品であり、使用感が全くありません。所持されていた方は陶磁器コレクターだったようで、おそらく未使用と思われます。
　共箱と御物袋、しおり、二重箱が付属し、さらに当店で薄葉紙と箱かぶせ紙を用意させていただきました。

十一代 三輪休雪(壽雪)

萩焼の重要無形文化財保持者(人間国宝)として名高い、十一代 三輪休雪。
器にかけられた白い釉薬は「休雪白」と呼ばれており、この白釉は伝統的な萩焼に新境地を開拓し、発明した兄十代休雪(休和)も人間国宝に指定されています。
1927年　山口県立萩中学校を卒業。兄十代休雪について家業に従事。
1941年　川喜多半泥子に師事。
1963年　山口県より天皇陛下への献上作品を制作。
1967年　十一代三輪休雪を襲名。
1972年　日本工芸会理事に就任。山口県指定無形文化財に認定。
1983年　国指定重要無形文化財に認定。
2003年　長男龍作氏に家督を譲り、「壽雪」を名乗る。
2012年　102歳没。従五位に叙せられる。