十一世 坂高麗左衛門　萩焼茶碗

　やや大振りで見込みが深く、堂々とした造りのお茶碗です。萩焼伝統の琵琶色に、白釉がとろりと垂れて、上品かつ穏やかな印象を受けます。
　それでいて腰部から高台付近にかけては、白い釉薬が岩場に打ち付ける荒波のしぶきのように押し寄せて、またちがった表情を見せてくれるひと品となっています。

　状態はとても良く、無傷完品であり、まるで未使用のように目立つ汚れもありません。
　共箱と共布、しおり、箱かぶせ紙、坂高麗左衛門窯の包み紙が付属します。箱などにも目立つ汚れはありませんが、共布の中央あたりにシミがあります(画像緑〇の部分)ので、ご確認ください。

十一世 坂高麗左衛門

1912(明治45)年　山口県で生まれる。
1948(昭和23)年　十代坂高麗左衛門の次女と結婚、婿養子に入る。
1958(昭和33)年　義父の死去により、十一代坂高麗左衛門を襲名する。
1960(昭和35)年　義宮様御成婚の奉祝品として、花器を献上する。
1966(昭和41)年　日本伝統工芸展に初入選。
1971(昭和46)年　日本工芸会正会員。
1975(昭和50)年　山口県指定無形文化財。
1981(昭和56)年　死去。享年68。