乳白地赤ひだ縁笠

製作時期 明治・大正期
状態 金具取付部に小さな欠けあり。
縦幅 約23cm
横幅 約23cm
高さ 約7cm
価格 ¥77,000

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金赤で彩られた、ひだ縁が華やかな電笠です。
電笠としてはスタンダードな形のひだ縁ですが、本品は最も人気のある金赤で、仕上がりも良く、浅めの構造なのでレトロなフィラメント電球との相性が抜群です。

目立つものではありませんが、金具にとりつける口の部分に、二、三か所欠けがあります(写真緑丸の部分)。
また、古い物ですのでガラスに気泡が浮いています(写真緑丸の部分)。
写真緑丸で囲ったヒビのような箇所は、冷却時にガラスの収縮でできたもので、あとからできたキズではありません。

電笠

大正期にはいると、電気が都市に普及し、各家庭の天井にも電気の光りが灯るようになりました。
内側の乳白色は光をうまく反射させるためのものですが、味わいのある白色地は意匠としても優れていて、華美となりすぎるのを抑え、上品な印象を見る者に与えます。

電球を埃から守るために、また効率よく室内を照らすためにも、電球に被せる笠は必需品であり、形も様々な物が造られました。
これはガラス工芸全般にいえることですが、元は舶来の物を模倣することから始まり、日本人の生活や美意識に合うようにデザインが工夫されていった結果、日本独自の発展を遂げたこれらの器は、和洋が融合した、時代を象徴するアンティークとして評価されています。

収集家の中には、これらの笠を楽しむために、わざわざ電球を自宅に吊るす人もいます。
かつての家庭やダンスホール、喫茶店などの天井を彩った電笠は、現代でも浪漫あふれる大正時代さながらに、家庭の中で活かされているのです。