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  • いとう鳳凰堂のブログです。
  • こちらでは店主の活動を、不定期に投稿していきたいと思います。

投稿一覧

[2022/07/31]茶事教養講座「絵付け体験」

2022年5月29日、裏千家淡交会萩青年部は、山口青年部と合同で絵付け体験教室を行いました。

京焼の窯元、中村翠嵐工房より絵付け体験キットを取り寄せ、素地として用意された皿に、色を塗るという、塗り絵のようなイベントです。

講師として、翠嵐工房でご活躍中の中村正史氏をリモートでお招きし、絵付けのコツや苦労話などを聞かせていただきました。

「六瓢」や「蝶々」など、色々なデザインのなかから、僕は「雪月花」を選びました。不器用なので、こういうのはあまり得意ではないですが、やってみるととても楽しく、隣の人から絵の具を借りたりして、見本とは違う色で塗ってみたりと、時間を忘れて打ち込んだ結果、

やはり上手には出来ませんでした(笑)。それでも、焼き上がりが楽しみで、このブログを書いている時点ではまだ完成品を受け取っていませんが、手元に届いたらぜひ使ってみたいと思います。

2022年07月31日

[2022/05/01]古美術知識「奥谷秋石」

 茶道裏千家十四代碩叟宗室 淡々斎は無限斎とも呼ばれ、茶の湯を海外に普及させるなど、非常に活力に満ちた人物であったようです。また多彩な才能を持っていたようで、能や唄を良くし、和歌を詠み、書画にも長けていたと伝わっています。

 奥谷秋石はその淡々斎の絵の師であり、大阪出身で京都画壇に重きをなした、実力派の画家でした。師は長州藩出身の森寛斎。円山応挙を祖とする、円山四条派の画法を習得しています。

 その画風は均整のとれた写生的表現と、そのモチーフを包む空間の情緒的表現を融合させたもので、秋石はその技法を多くの門人に伝えています。

 また、秋石は上述の裏千家お家元淡々斎の絵の師であった縁からか、「茶掛け作家」と呼ばれていたようで、茶の湯に適う作品を多く遺している可能性があります。

「茶会における、待合いの掛物」
 知り合いのお茶人によく訊ねられるのが、待合い掛けに良い掛軸があるか、という質問です。絵画は茶道具とはいえませんが、茶会において必要なものであることは確かです。茶道具ではないので、これを選ぶにはまた別の知識や感性が必要になるので、骨董を扱う私に訊ねられるのは当然と思います。
 しかし、正直言ってこれが難しい。山河を描いた山水画などは良く市場にも出ますが、待合い掛けにできそうな、ひとつのモチーフに絞ったもの(花や月、鳥獣など)は案外出てこないのです。
 おそらく、山水は人気のあるモチーフで、好まれていたために多く出回っているのだろうと思うのですが、たまに山水画以外のものがあっても、作家がわからない、わかっても別の地域の作家(住んでいる地域とは別の地域の作家のものはあまり好まれない)と、なかなか条件に合うものに巡り合えるのは、稀なことといえるのです。
 しかしそういった縁を大事にする人に、最良の出会いをもたらすことができるのが、物を売る人間の喜びであると思います。

2022年05月01日

[2021/10/17]2021年淡交会萩青年部 青年部茶会

 昨年はコロナの影響で自粛した青年部茶会が、今年は入場者数を制限して開催されました。
 ワクチンの効果もあってか、山口県における感染者数は大幅に減少しており、お茶碗を使い回さないということを徹底しての開催です。

 それにしても、昨今は時候の挨拶のように、コロナウイルスの話しをするようになってしまいました。11月現在、全国でも感染者数は少なくなっており、このまま終息してくれることを願うばかりです。

 それでは青年部茶会のしつらえを見ていきましょう。上の画像は竹を刳り抜いた灯篭です。萩青年部に所属する萩焼作家松浦洞心さんが、山に入って竹を切り出すところから始めて作った力作です。

 日中の開催ですが、会場はカーテンを閉め切っているため薄暗く、正面の壁を見ると丸い月が浮かんでいます。今回はお月見をテーマにしたお茶会なので、明かりを抑えて、スポットライトで月を表現してみました。

 コロナ対策としては、前述のお茶碗を使い回さないことと、換気を十分にすること、一席ごとにテーブルやイスをアルコール消毒することを徹底しました。
 100人のお客様に対し、一人一碗、全部で100碗以上のお茶碗を用意し、換気はこの会場自慢の換気システムを使わさせていただきました。数分間で会場全ての空気を入れ替えることができるという、優れものです。

 制限のあるなか、開催自体も危ぶまれましたが、結果として評判は上々でした。たくさんの方に喜んでもらえたので、やって良かったと思います。青年部の活動はこれからも続きますが、来年は制限のない活動を行いたいものです。

2021年11月10日

[2021/10/02]淡交会青年部 東中国地区リモートブロック研修会

 毎年各地で行われる茶道の研修会、淡交会青年部ブロック研修会。今年は東中国ブロックが、リモートで開催すると聞いて参加してみました。
 東中国ブロックは、岡山と広島の一部地域の青年部で構成されるブロックで、特に知り合いがいるわけでもなく、軽い気持ちで「リモートならやってみよう」と思った次第です。

 今回のテーマは「お床について(お花の入れ方)」。正直、あんまり興味のないジャンルです。しかしだからこそ、真剣に学んでおかなければなりません。業躰先生による講演のあと、用意しておいた花入れに、かき集めたお花を入れてみました。
 その結果がこの画像です。

 花入れは一般的な花器ではなく、古い深川焼(長門の焼き物)の徳利を使用しました。10月ですので、お月見感を出したかったのです。お花は七種くらいあったのですが、花入れの口が細いので、あまり詰め込むと窮屈な気がしたため、三種のみ活けています。ススキはその辺にはえていたものから、なるべく細く小さいものを選びました。

 最初のイメージとはかけ離れた、あまりパッとしない出来となりましたが、やれるだけのことはやってみました。こういった研修会は、これまでは直接現地に行かなければ参加できないものでしたが、リモートなら気軽に参加できるのが嬉しいところです。とても良い勉強になりました。

2021年11月10日

[05/21]無題

 しばらく更新を止めていた間に、世の中は色々と様変わりしてきました。
 高齢者へのワクチン接種が始まり、オリンピックの聖火ランナーが町を駆け抜け、季節は夏に向かおうとしています。

 所属する茶道裏千家淡交会萩青年部のイベントが中止や延期になっていたために、書くことがないと言い訳してブログの更新をさぼっていたわけですが、これではイケンと本日思い立ち、とりあえず近況報告を兼ねて書いてみることにしました。

 まず、当店の営業状況ですが、今年の1月から営業を自粛し、週1日日曜日だけ店を開けていました。その後4月からは、山口県でもコロナの感染が拡大してきたので、ついに全日閉店を決意し、現在に至っております。休業中、当店に来られたお客様には大変申し訳ない気持ちです。
 営業の再開は未定で、店主のワクチン接種が終わったら店を開けようかなと考えています。

 全てではありませんが、商品の一部をご覧のホームページに掲載しておりますので、メールや電話でのお問い合わせは受け付けております。
 もっとも、今年に入って市場に顔を出していないので、仕入れをまったく行っていない状況です。商品が増えるのは、まだまだ先になりそうです。

 店主は現在、貴人清次のお稽古をがんばっています。このお点前は、お供を伴った高貴な方のための作法であり、貴人様とお供にお茶を差し上げることになります。
 現実でそのようなシチュエーションはまずないだろうと思いますが、学べることが多く、とても勉強になります。お茶をやっていると、現実のつらいことを忘れることができます。ひと時の休息をとったら、また活動を再開したいと思います。

2021年05月21日
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